教育方針(暫定版、2005/9/24更新)

はじめに

当研究室は2004年に立ち上がったばかりの研究室ですので、教育方針に関してはまだはっきりと定まっているわけではありませんが、これまでの経験によっていくつかの点で暫定的な方針をもっています。

研究内容について

私(加藤)の関心はかなり広く、物性一般から統計力学基礎にかけていろいろなことに興味をもっています。よって当研究室ではメゾスコピックによらずかなり広い分野の研究ができると思います。しかし、テーマによって私の提供できる知識の質・量が異なってきます。一人ですべてやっていく自信があればよいですが、そうでなければ始めは私のよく知っている分野(研究室のページの研究内容を参照)からそれほど離れない範囲でテーマを選ぶのがよいと考えます。

修士で入学した場合、修士一年のはじめに論文を渡すので、それを勉強してもらい紹介してもらいます。そこを足がかりにして修士二年にはテーマを決めます。紹介した論文はあくまで参考で、結局全く違うことをやることもあるかもしれません。

博士で入学した場合、私とよく議論をした上でテーマを決め、すぐ研究に入ります。博士課程は三年しかありませんので、できるだけすぐに成果があがるように努力します。

修士課程

はじめの一年は基本的な物性の知識を習得してもらいます。やりたい分野における過去の仕事について、深く勉強して理解していくことが重要になります。必要に応じて、輪講を行います。二年目からは本格的に研究を始めます。

博士課程進学について

東京大学では博士課程に進学する人が多いのですが、進学にあたってはよくよく考え、就職という選択があることを考えにいれてください。残念ながら昨今の状況では、アカデミックポストへの就職は熾烈を極めるため、何も考えず安易に進学することはまったくお勧めしません。厳しい就職状況を覚悟し、その上でどうしても研究をしたいという人が進学すべきです。

博士課程

すでにいっぱしの研究者です。私と日常的に議論を行いながら、ひたすら研究に邁進します。自分の好きなテーマを見つけてきて、やってもらうことも十分ありえます。

数値計算

修士・博士課程のどこかで必ず一度数値計算を経験してもらいます。今日、数値計算は研究上不可欠なツールになっているからです。一度数値計算やった上で、それでもやっぱり解析計算をやる、ということなら止めませんし、それで結果がでるのなら応援します。(私個人としても、解析的な計算で物理がわかるに越したことはないと思っています。)