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加藤研究室では、固体中の様々な量子輸送特性の理論研究を行っています。最近は主にメゾスコピック系およびスピントロニクス分野の研究を展開しています。

NEWS

  • テンソルネットワーク法による格子模型ソルバーTeNeSの最新版に関するプレプリントが公開されました。


  • 論文が出版されました。A. Yamakage, T. Sato, R. Okuyama, T. Funato, W. Izumida, K. Sato, T. Kato, and M. Matsuo, Phys. Rev. B 111, 045121 (2025) 


  • 高強度テラヘルツ光のもとでのGaAsの可視円偏光による二次横電流生成の研究成果がプレプリントで公開されました。


  • 論文が出版されました。S. C. Furuya, M. Matsuo, and T. Kato, Phys. Rev. B 110, 165129 (2024).


  • 2次元電子系へのスピンポンピングの理論がプレプリントとして公開されました。


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研究室メンバー

氏名役職メール
加藤 岳生准教授kato_at_issp.u-tokyo.ac.jp
玉谷 知裕JSTさきがけ研究員(専任)tamaya_at_issp.u-tokyo.ac.jp
山 正樹D3yama_at_issp.u-tokyo.ac.jp
石川 卓門D3takuto-ishikawa_at_issp.u-tokyo.ac.jp
佐藤 哲也D2satotetsuya_at_issp.u-tokyo.ac.jp
山田 耕史D2(社会人入学)yamada-koji_at_g.ecc.u-tokyo.ac.jp
西村 直樹D1n.nishimura_at_issp.u-tokyo.ac.jp
村林 史啓M2fumi1263_at_g.ecc.u-tokyo.ac.jp
奥山竜司M1okuyama-ryuji17_at_g.ecc.u-tokyo.ac.jp
江口 浩子秘書eguchi_at_issp.u-tokyo.ac.jp

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最近の研究から

  • 光浮上技術と強磁性共鳴を用いた微粒子の高速回転駆動

    アインシュタイン-ド・ハース効果に代表されるようにスピン角運動量は磁気回転結合を通じて剛体回転の角運動量に変換することができる。光ピンセットを代表とする光浮遊技術を用いて、強磁性共鳴を利用した強磁性微粒子の高速回転現象を提案した。高速回転によりバーネット効果も誘起され、圧力やマイクロ波振幅が特定の条件を満たすと非線形分岐現象が生じることを示した。さらに回転速度のゆらぎから、磁化が格子に渡す角運動量の単位が求められることも明らかにした。Gyromagnetic bifurcation in a levitated ferromagnetic particle, T. Sato, T. Kato, Daigo Oue, and M. Matsuo, Phys. Rev. B 107, L180406 (2023). [Preprint: arXiv:2202.02461]. Quantum fluctuation in rotation velocity of a levitated magnetic particle, T. Sato, D. Oue, M. Matsuo, T. Kato, Phys. Rev. B 108, 094428 (2023). [Preprint: arXiv:2306.12193].

  • 2次元電子系へのスピンポンピング

    2次元電子系におけるスピンから電荷への変換現象として逆エーデルシュタイン効果が知られている。これまでスピンポンピングと逆エーデルシュタイン効果を組み合わせた電流生成について実験研究が盛んに行われてきたが、微視的理論は未整備のままであった。本研究では強磁性絶縁体からラシュバ型スピン軌道相互作用とドレッセルハウス型スピン軌道相互作用が共存する二次元電子ガスへのスピンポンピングを定式化し、共鳴周波数依存性や磁化方位依存性を議論した。Theory of inverse Rashba-Edelstein effect induced by spin pumping into a two-dimensional electron gas, M. Yama, M. Matsuo, and T. Kato, Phys. Rev. B 108, 144430 (2023). [Preprint: arXiv:2305.13953].

  • ラッティンジャー流体への単一電子注入

    ローレンツ型電圧パルスを電子が1個分含まれるように励起すると、余計なホール励起を発生させることなく一電子注入が可能である。これをLevitonパルスという。これまでパルスの生成は相互作用のない電子系を用いて考察されてきたが、本研究では相互作用電子系(ラッティンジャー液体)への拡張を行った。電子間相互作用がある場合でもLevitonパルスは過剰電流ノイズを抑制することを示した。さらに一次元電子系とリードの境界におけるアンドレーエフ反射現象とその検出法も議論した。Minimal AC injection into Carbon Nanotubes, K. Fukuzawa, T. Kato, T. Jonckheere, J. Rech, T. Martin, Phys. Rev. B 108, 125307 (2023). [Preprint: arXiv:2307.11943].

  • 量子連続測定下の2準位系を介した熱輸送

    2準位系を介した熱輸送における量子観測のバックアクション(反作用)を理論的に考察した。まず、2準位系の固有状態への連続射影を考え、測定値の情報を捨て去る場合にはバックアクションは位相緩和として記述できることを示した。さらにバックアクションの効果を直接見るために、測定値と熱流の交差相関を確率マスター方程式から導出した。これらの結果は超伝導量子ビットを含む超伝導回路において、現在の実験技術で十分に測定が可能である。Heat transport through a two-level system under continuous quantum measurement, T. Yamamoto, Y. Tokura, and T. Kato, Phys. Rev. B 106, 205419 (2022). [Preprint: arXiv:2208.08755].

  • スピンホール磁気抵抗の量子モンテカルロ法による数値計算

    スピンホール磁気抵抗(SMR)は強磁性絶縁体と常磁性金属を接合させた系で生じる磁気抵抗効果であり、磁気デバイスへの応用が期待されている。これまでの理論では、スピン混合コンダクタンスとスピン拡散に基づく現象論が用いられてきたが、温度依存性を議論することは困難であった。本研究では擬二次元反強磁性絶縁体と金属の接合系を考え、非平衡グリーン関数を用いた微視的理論を用い、量子モンテカルロ法によってSMRを数値的に評価し、温度・スピンの大きさ・膜厚・乱れなどの依存性を明らかにした。Spin Hall magnetoresistance in quasi-two-dimensional antiferromagnetic-insulator/metal bilayer systems, T. Ishikawa, M. Matsuo, and T. Kato, Phys. Rev. B 107, 054426 (2023). [Preprint: arXiv:2208.08096].