ワイル半金属を用いたプラズモニクス

プラズモニクスの分野では、近年、グラフェンやトポロジカル絶縁体といった新しい物質を用いたプラズモニクスが注目を集めている。特に注目を集めているのがワイル半金属を用いたプラズモニクスである。ワイル半金属は線形なエネルギー分散を持つトポロジカル物質の一種であり、物質中の電磁場は通常のマクスウェル電磁気学ではなくアクシオン電磁気学に従うことが知られている。アクシオン電磁気学では静電場と静磁場が直接結合するため、ワイル半金属は特異な電磁応答を示すことが期待されている。3層構造型のワイル半金属を考え、表面に局在したプラズモンがワイル半金属の厚みやアクシオンベクトルの向きに依存してどのように変化するかを理論的に明らかにした。
Tomohiro Tamaya, Takeo Kato, Kota Tsuchikawa, Satoru Konabe, and Shiro Kawabata, Surface plasmon polaritons in thin-film Weyl semimetals, J. Phys. Condens. Matter 31, 205001 (2019) [preprint: arXiv:1811.08608].