スピンホール磁気抵抗の量子モンテカルロ法による数値計算

スピンホール磁気抵抗(SMR)は強磁性絶縁体と常磁性金属を接合させた系で生じる磁気抵抗効果であり、磁気デバイスへの応用が期待されている。これまでの理論では、スピン混合コンダクタンスとスピン拡散に基づく現象論が用いられてきたが、温度依存性を議論することは困難であった。本研究では擬二次元反強磁性絶縁体と金属の接合系を考え、非平衡グリーン関数を用いた微視的理論を用い、量子モンテカルロ法によってSMRを数値的に評価し、温度・スピンの大きさ・膜厚・乱れなどの依存性を明らかにした。Spin Hall magnetoresistance in quasi-two-dimensional antiferromagnetic-insulator/metal bilayer systems, T. Ishikawa, M. Matsuo, and T. Kato, Phys. Rev. B 107, 054426 (2023). [Preprint: arXiv:2208.08096].