超流動異常相での非平衡粒子流ノイズ

強い引力相互作用を有する2つの冷却フェルミ原子気体を弱く結合された系で生じる粒子の流れについて、非平衡ノイズ(ショットノイズ)とよばれる粒子流の「ゆらぎ」の理論を構築した。強い原子間引力により伝導キャリアが従来の1原子から2原子ペアへ変化している可能性に着目し、ショットノイズと粒子流の比で与えられるファノ因子の値から一回の輸送プロセスで移動する有効原子数を判別できることを明らかにした。本研究成果は冷却フェルミ原子気体に限らず非従来型の強相関超伝導の伝導プロセス解明においても有用であることが期待される。Nonequilibrium noise as a probe of pair-tunneling transport in the BCS–BEC crossover, H. Tajima, D. Oue, M. Matsuo, and T. Kato, PNAS Nexus 2, pgad045 (2023). [Preprint: arXiv:2202.03873].