
キラルな結晶結晶構造をもつ絶縁体(キラル絶縁体)に熱を流すことで隣接する金属へスピンが流入するという最近の実験結果をよく説明する新たな理論を構築した。キラル絶縁体中の電子スピンとフォノンの磁気回転効果に着目してスピンとフォノンの相互作用を導出し、金属‐絶縁体界面におけるスピン流の微視的公式を導いた。本研究で解明したキラリティ誘起のスピン生成機構は重元素を必要としないため、重元素を用いないスピントロニクス素子の開発に大きく貢献すると期待される。Chirality-Induced Phonon-Spin Conversion at an Interface, T. Funato, M. Matsuo, and T. Kato, Phys. Rev. Lett. 132, 236201 (2024). [Preprint: arXiv:2401.17864]. プレスリリース