
スピンゼーベック効果は温度勾配によってスピン流が生じる現象として知られているが、その起源や制御機構には未解明な点が多く残されている。本研究では音響カイラルフォノンに着目し、それらがスピン角運動量を運ぶことでスピンゼーベック効果を活性化する新たな機構を理論的に提案した。フォノンのカイラリティとスピン流の関係を定量的に解析することで、従来とは異なるスピン流生成の可能性を示した。本成果はフォノンとスピンの結合を利用した新しいスピントロニクスの設計指針を与えるものとして期待される。Theory of spin Seebeck effect activated by acoustic chiral phonons, N. Nishimura, T. Funato, M. Matsuo, and T. Kato, J. Magn. Magn. Mater. 630, 173386 (2025). (Preprint: arXiv:2505.23083)